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IoTが物流革命を起こす。現状の課題と解決策を紹介!
2022.03.17 > クラウドERP
急激な需要増加や人手不足など、さまざまな課題を抱える物流業界では、近年IoT導入が推進されています。IoTとは、「Internet of Things=モノのインターネット」、つまり自動車や家電、工場の設備などをインターネットに接続する技術 のことです。
「聞いたことはあるものの、何が何だかわからない」という方もいるかもしれません。しかし、物流業界においてIoT導入は欠かせないものとなってきており、国も積極的に後押ししています。
今回は、なぜ物流業界でIoT導入が進められているのか、その背景や活用事例などを紹介しますので、IoT導入でお悩みの方はぜひご覧ください。
2021年6月15日、国土交通省・農林水産省によって「総合物流施策大網(2021年度~2025年度)」を閣議決定したことが発表されました。総合物流施策大網とは、海外と比較して割高な日本国内の物流コストを国際水準まで下げるための施策のことです。
物流は人々の生活を豊かにし、日本の競争力を上げるために欠かせない重要なインフラです。しかし、人口減少による人手不足や急激な需要増加、割高なコストといった数々の課題を抱えています。
そこで総合物流施策大網によって、国が物流業界のIoT導入などの物流DXを後押しし、物流業界の課題を解決することを目指しているのです。また、国際競争力向上のために、以下のような施策も進められています。
AI・IoT・自働化技術を組み合わせた世界最高水準の生産性と良好な労働環境を有するAI ターミナルの実現
引用元:「今後の施策目標と個別施策(平成31年2月21日)」(国土交通省港湾局)
日本は地理的な要因やトランシップコストが高いなどの理由から、コンテナ船の寄港隻数が減少傾向にあります。そのため、AI ターミナルの実現によって、寄港隻数の維持・拡大を図る狙いがあるのです 。
日本国内の物流業界が抱える課題は、新型コロナウイルス感染症拡大による社会が急激に変化したことで、より明確になっています。
そこで総合物流施策大網では、「今後の物流が目指すべき方向性」として、以下の3つの施策を打ち出しています。
・物流DXや物流標準化の推進によるサプライチェーン全体の徹底した最適化(簡素で滑らかな物流の実現)
・労働力不足対策と物流構造改革の推進(担い手にやさしい物流の実現)
・強靱で持続可能な物流ネットワークの構築(強くてしなやかな物流の実現)
引用元:「総合物流施策大綱と物流標準化について」(国土交通省 総合政策局)
これらの施策を推進するうえで重要なのが、IoT導入です。なぜIoTが物流業界の課題解決につながるのか、その理由を見ていきましょう。
インターネットの普及により、多くの人がECサイトなどを経由して買い物するようになったことで、物流業界では小口配送が大幅に増加しました。日用品などのすぐに使いたいものをECサイトで購入する人も多く、配送スピードを求められることも少なくありません。
さらに、新型コロナウイルス感染症拡大以降、新しい生活様式に対応した非接触・非対面型物流への転換も求められており、仕分け作業などの流通業務に大きな負担がかかっています。
IoTによって在庫管理やピッキングなどの庫内作業を自動化したり、配送作業を機械化したりして物流のムダが一掃できれば、物流業務の負担が大きく軽減できるでしょう。
IoTによる流通業務の自動化・機械化は、人手不足の対策にもつながります。少子高齢化が進む日本では若い人材の確保が難しくなっており、配送ドライバーも高齢化しています。
また、物流業界に対して低賃金、長時間労働などのイメージをもつ人も少なくありません。その結果、配送ドライバーを希望する人が減り、人手不足に拍車をかけているとされています。
IoTによって流通業務が自動化・機械化されれば、少ない人数で業務に対応できるようになり、人手不足が解消する可能性があります。
人手不足の物流業界では、監督者の指揮や観察が不十分になりやすく、スキルや経験の有無によって品質に違いが出ることがあります。また、事業者によって伝票や外装が異なることが多く、検品や積載の効率が下がりがちです。
IoTによって作業の機械化や伝票・外装などの統一化が進み、全体が標準化されれば、人によって品質に差が出ることがなくなり、検品などの作業も効率的に進むようになるでしょう。
IoT導入を考えてはいても、具体的にどのように取り入れれば良いのか、どんな効果があるのかわからず躊躇している方もいるでしょう。そこで、物流業界におけるIoTの活用事例を紹介します。
ひとつめは、AIやIoTを用いた倉庫内の一元管理です。商品にバーコードなどを貼りつけ、倉庫管理システム(WMS)に登録します。
すると在庫数や出荷予定日、食品の賞味期限などを、システム上で簡単に管理できるようになるのです。保管場所も端末上で確認できるので、ピッキングもスムーズに進みます。
また、入出庫や在庫管理を人の手で行うと、在庫の数え間違いや確認漏れなどのミスが起こる可能性があります。しかし、倉庫内をシステム化して機械で管理すれば、そうした人為的ミスを防ぐことが可能です。
WMSにデータが蓄積されてくると、商品をより効率の良いスペースに保管するなど、現場の状況に応じた指示も出せるようになります。
IoTを活用すれば、仕分けや在庫管理といったサプライチェーン全体の効率化も実現できます。
RFタグやICタグなどの商品情報が書き込まれたタグを商品につけておくと、RFIDリーダーを使って外装を剥がさなくても中身が識別できるためです 。タグの情報を読み込んで、大量の荷物を機械でスピーディーに仕分けることもできます。
IoT導入によって、配車計画を最適化することも可能です。配車計画を立てる際には、配送車の種類やドライバーの人数、輸送ルートなどを、届け先や日程、予算を考慮しつつ決めていかなくてはなりません。
内容が複雑なので、効率的な配送計画を立てるには知識と経験が必要で、担当者によって結果にバラつきが出ることもあります。
しかし、配車システム(TMS)を活用すれば、運行中の車両の位置情報や積載情報、空車情報などのデータを一元管理し、最適な配送計画を自動で立ててくれるため、配送業務が円滑に進むようになるのです。
さらに、近年は配送車の自動運転計画も推進されています。もしこの計画が実現すれば、ドライバーの確保に悩むこともなくなり、配送にかかるコストも削減できるようになるでしょう。
大きな変化に直面する物流業界にとって、IoT導入は避けては通れないものになりつつあります。しかし、何をどうすれば良いのか、何が必要なのかわからない方もいるでしょう。
そんなときは、まずはシステム関連のコンサルティング企業に頼るのがおすすめです。物流業界でIoTを効果的に活用するには、ITシステムを同時に導入する必要があるからです。
Blue Tiger Consulting(ブルータイガーコンサルティング)にご相談いただければ、これまでの経験とノウハウを生かして、最新のクラウドERPを始めとした基幹システムの導入を支援いたします。
システム実装後のサポートや、既存システムとの連携までサポートしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
物流は人々の豊かな生活や国際競争力を支える、重要なインフラです。しかし、日本の物流業界は、人手不足や急激な需要増加といった数々の課題を抱えています。
IoT導入などによる物流DXは、そんな物流業界の課題を一気に解決する可能性があるものです。業務を機械化・自動化すれば、人手不足に悩まされることがなくなり、人為的ミスも減るでしょう。
さらに業務効率化が進み、配送スピードの向上やコスト削減につながる可能性もあります。導入方法や既存システムとの連携など、いろいろと考えることがありますが、コンサルティング企業などと相談しつつ、導入を進めてみてはいかがでしょうか。