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ERPシステムで業務効率化!選び方・実装に向けた注意点を解説
2021.06.03 > クラウドERP
「ERPを導入すれば業務が効率化される」と分かっていても、複数の中から自社に合ったものを選ぶのは大変です。もし自社に合わないERPを選んでしまった場合、導入にかけた費用が無駄になるかもしれません。この記事では、自社に合ったERPの選び方について解説します。
まずは、ERPシステムの特徴や主な機能について知っておきましょう。
ERPとは「Enterprise Resource Planning」の頭文字を取ったもので、和訳すると「経営資産計画」という意味です。一般的には、「総合基幹業務システム」のことを指します。
従来は、「会計なら会計システム」「営業なら顧客管理システム」「人事なら人材管理システム」といった具合に、各部署で個別に専用のシステムを導入していました。
これらのシステムで使うデータの中には、ほかの部署でも使えるものがあります。しかし、システムが異なるので、必要に合わせて転写やコピーを行なわなければなりません。これでは手間がかかる上に、転写やコピーの過程でミスが生じる恐れもあります。
ERPであれば、複数のシステムが同じデータベースを共有しているので、先述した手間やミスを防ぎ、リアルタイムでデータの整合性を取ることも簡単です。
一般的なERPには、財務会計管理、予算管理、販売情報管理、顧客管理、在庫管理、人材管理、マーケティング管理といった複数のシステムが統合されています。とはいえ、必ずしもすべてが含まれているわけではなく、業種や事業の規模に合わせて、機能を限定しているERPが多いです。
こういった基幹業務システムは、PCにインストールする「オンプレミス型」が主流でしたが、近年はインターネットの発達によって「クラウド型」も増えています。クラウド型とは、システムやデータがインターネット上のサーバーに保存され、使うたびに読み込む形式のことです。
クラウド型の登場によってERPの導入が簡単になったため、事業規模の大きくない中小企業でも、業務の効率化や経営判断のために活用するケースが増えています。
ERPを導入すると情報の共有が簡略化されるため、「複数の部門の連携が容易になる」というメリットがあります。
たとえば、商品が1つ売れるたびに、その情報は販売部門や在庫管理部門、生産部門、会計部門で共有されます。これによって、売れ行きや生産・発注のタイミングなどをリアルタイムで正確に把握することが可能となります。
タイムラグによるズレが生じないため、無駄に在庫を抱えたり、逆に在庫切れで販売のタイミングを逃したりするといった損失を防げます。
また、経営側にとっては、「各部門に報告・連絡を指示しなくても、自分で必要な情報を簡単に集めることができる」というのも大きなメリットです。
さらに、多くのERPには「BI」という機能が搭載されており、データを分析して経営がどのような状態に置かれているのかを分かりやすく提示してくれます。(「BI」とは「ビジネス・インテリジェンス」の略です)
ERPによって、どのような問題が発生しているのか把握し、どのような対策を取るべきか判断するのが早くなるでしょう。個人的な主観に左右されず、客観的な根拠によって判断を下せるのがERPの強みです。
ERPによって、搭載されているシステムや使い勝手は異なります。
では、自社に合ったERPを選ぶには、どのような要素に注目すれば良いのでしょうか。
先述のとおり、ERPにはPCにインストールする「オンプレミス型」と、インターネット上にシステムやデータが保管されている「クラウド型」の2種類があります。
オンプレミス型は、システムを独自の商習慣に合わせてカスタマイズしたり、機能を追加したりするのが得意です。
一方で、導入には自社で専用のサーバーを用意するなど、高額の初期費用がかかります。システムをバージョンアップするときも同様です。さらに、離れたところにある複数の支店や営業所でも使うとなれば、運用や管理が複雑になります。
クラウド型は、インターネットに接続できる環境があれば、どこからでもアクセスが可能です。離れたところにある複数の支店や営業所はもちろん、外出先や海外からでも利用できます。導入も簡単で、初期費用も比較的かからず、常に最新のバージョンを利用できるのもメリットです。
一方で、クラウド型はカスタマイズや機能の追加に限界があるため、企業独自の商習慣には対応が難しいかもしれません。毎月、一定額の利用料がかかるため、長く使うとオンプレミス型よりコストがかさむ恐れもあります。
先述したように、ERPそれぞれで搭載されているシステムには違いがあります。せっかく導入しても、業務に必要なシステムが搭載されていなければ役には立ちません。とはいえ、現在の業務と100%合致するERPを見つけることは簡単ではありません。
導入にあたっては、必要な機能を重要度が高い順にピックアップし、要件を満たすERPを選ぶようにしましょう。搭載されていないシステムに関しては、引き続き従来のシステムを使うか、ERPで対応できるように業務の流れを変更することになります。
もし、部署ごとに単独で導入されているシステムがあるなら、ERPとの互換性を確認しましょう。ERPの中には、既存の基幹業務システムと併用できたり、データを取り込めたりするものがあります。
ERPを導入するとき気になるのがセキュリティです。セキュリティが脆弱な場合、ウイルスに感染したり、外部からハッキングされたりするリスクが上がり、データ漏洩など深刻なトラブルに発展する可能性が高くなるでしょう。
オンプレミス型は、社内だけでシステムを構築するので、アクセスできる範囲を限定すれば、比較的簡単に外部からデータにアクセスするのを防げます。ただし、ウイルスソフトの導入やファイアウォールの設定など、セキュリティ対策は自社で行わなければなりません。
クラウド型は、インターネット上にシステムやデータが保管されているので、セキュリティ対策に関してはERPのメーカー次第となります。クラウド型を導入する場合、「メーカーがどのようなセキュリティ対策を行っているのか」「データの保管場所」などを確認しましょう。
とはいえ、そもそも社員のセキュリティに対する意識が低ければ、いくらセキュリティ機能が充実していても、データ漏洩するリスクは高くなります。
「メールの貼付ファイルをむやみに開かない」「外部メモリにデータを移さない」「勝手にアプリをインストールしない」など、社員のセキュリティ意識を徹底させましょう。
ERPは、導入後に不明点や予期せぬトラブルが発生することがあります。そういった場合、問題が解決するまで業務が止まってしまいます。
ERPを導入する際は、「トラブル発生時にすぐ対応できる体制が整っているか」など、サービス提供元のアフターフォローも重視しましょう。
アフターフォローはメーカーの姿勢に左右されますが、提供元となるベンダーによっても異なります。
ベンダーは、ERPのメーカーと企業の橋渡し役です。企業の要望や目的に合ったERPを提案し、導入や運用をサポートします。
企業のニーズを汲み取って適切な提案を行なったり、トラブルが発生しても親身になって根気強く対応してくれたりするところなら安心です。ERP導入の際は、ERPそのものに加えて、ベンダーの実績にも注目しましょう。
Blue Tiger Consulting(https://btcjp.net/about/)はERPのコンサルティングを行っています。導入から運用、定着、保守など、豊富な導入実績やノウハウをもとに、お客様に最適なERPの提案やサポートが可能です。
ERPの選び方でお悩みの際は、ぜひご相談ください。
ERPには数多くの機能がありますが、企業によって得られるメリットには違いがあります。導入するときは、いくつかの注意点があります。
ERPは導入して終わりではありません。その後も運用し続けることで、はじめて成果につながります。しかし、導入の目的が明確でないと、どのように運用して良いのか分からず、いずれ使われなくなるでしょう。
ERP導入を無駄にしないためにも、「現在どのような問題を抱えており、ERPの導入によってどれくらい解決できるのか」といった、事前のシミュレーションが必要です。自社に合ったERPを選ぶことにつながる上、運用するときの指標にもなります。
ERPのコストは決して安いものではありません。オンプレミス型では初期費用が発生しますし、クラウド型も毎月の利用料が継続してかかります。どちらにしろ、コストに見合った成果を見込んで選ぶ必要があります。
先述したように、自社の目的に応じて搭載するシステムや機能を絞り込むと、費用も抑えられるでしょう。
ERPを実際に操作するのは、現場の従業員です。現場の従業員がERPを理解できなかったり、十分に使いこなせなかったりすれば、期待していた効果を発揮できず、定着も難しいでしょう。
先述したベンダーは、現場のERP定着のサポートも担っています。とはいえ、企業側でもプロジェクトチームを立ち上げ、導入から運用までの中心的な存在になるのが望ましいといえます。現場を理解している人間が窓口になれば、より現場の従業員によるフィードバックが、ベンダーに伝わりやすくなるでしょう。
ERPを選ぶときは、最初に目的や導入する業務の範囲を明確にします。その上で、必要な機能を搭載するものを選べば、無駄な費用をかけずに運用できるでしょう。
もちろん、クラウド型やオンプレミス型の違い、セキュリティやアフターフォローも重視したいところです。
そのほかいくつかのポイントをふまえ、自社にとって最適なシステムを導入しましょう。