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在庫管理のコストが高い!内訳やコスト削減方法とは?
2021.08.08 > クラウドERP
企業の在庫管理には、さまざまなコストがかかります。しかし「在庫を保有するときにかかるコストには何が含まれるのか」「どうすればコストを削減できるのか」と悩んでいる管理担当者も多いのではないでしょうか。
在庫管理コストの課題を抱える企業は、まず現状でかかっているコストを正しく把握する必要があります。また、コスト削減のために在庫管理を一括できるERPシステムを導入することもひとつの方法です。
この記事では、在庫管理にかかるコストの詳細や、コストを削減する方法について詳しく解説します。在庫管理のコストを削減できれば、キャッシュフローの最適化や経営の効率化を図れるため、管理体制の見直しの参考にしてみてください。
企業の在庫管理にかかるコストとは、販売している商品の在庫を管理するためにかかるコストのことです。倉庫の維持費や人件費だけでなく、保管中に品質が低下した商品の損失などが含まれます。
米国の調査では、在庫管理のコストは在庫金額の約2割が一般的と結果が打ち出されました。そのうちの75%は、在庫保有にかかる資金負担を金利として計上する「在庫金利」です。残りのほとんどは倉庫の保管料や保険料、光熱費などの「保管費」と、仕入れ時点よりも価値が下がってしまった場合の差額「棚卸評価損」が占めています。
一般的に、在庫管理にかかるコストは約2割と先述しましたが、ハードウェアの販売を行っているアメリカの企業では、在庫管理のコストを売上の約13%に抑えられています。約13%の在庫管理にかかるコストの中では、棚卸評価損が大きな割合を占めており、全体の4割を超えています。そのほか、保管費などは在庫管理のコスト全体の1割程度と、比較的低コストです。
一方、日本で行われた調査データの結果、在庫管理にかかるコストは約3割という結果になっています。内訳としては、管理にかかる人件費と金利が合わせて約1割ずつ、ほかのコストを合わせて3割の計算です。まだまだコスト削減の余地があるといえるでしょう。
しかし、在庫管理にかかるコストは、企業の規模や取り扱っている商品によって差が生じるため明確にはいえないのが現状です。まずは自社の在庫管理にかかるコストの比重はどこにあるのか確認してみましょう。
在庫管理にかかるコストには、さまざまな項目があります。ここからは、在庫管理にかかるコストの内訳を項目ごとに紹介します。
「在庫金利」とは、在庫を保有するための費用全般を指します。在庫を保有するための資金負担を金利に変換したものを指すため、実際に支払う金利ではありません。在庫のおおよその保管期間に応じて、金利として管理計上します。
在庫管理に必要とされる倉庫には「保管費」がかかります。使用する倉庫の種類によって、その保管費には差が生じます。自社が所有する倉庫を使用する場合は、光熱費や建築費、倉庫の保険料、運搬や棚卸の人件費などが計上されます。
自社の倉庫を持たず、外部の倉庫を使用する場合は、倉庫の特性や倉庫を保有する業者と相談して保管費用を定めます。保管する商品の重さや、使用する棚、箱などを目安に定められます。
仕入れ時よりも、商品の価値が下がってしまったことによる損失を「棚卸評価損」といいます。例えば、長期保管による品質の劣化や型落ち、流行性の高い場合などに評価損が生じます。
このように、仕入れて保管している段階で価値が下がってしまった商品は、原価ではなく時価で考える必要があります。
「価格補償費」とは、小売店が値下げに対応した際の損失を補填するための費用です。納入した金額に小売店が上乗せして販売することで利益が得られます。しかし、セールやキャンペーンなどで納入費用よりも値下げして販売すると、利益がマイナスになってしまいます。つまり、価格補費は値下げ分の費用を補填するため、小売店に返金する役割を持っています。
在庫管理のコストのなかには、販売した商品が返品されるときの「返品費用」が含まれます。販売した商品に対するお客様のイメージの違いや、購入間違いなど、人同士の売買で返品は避けては通れない問題です。返品されて戻ってくる商品の利益だけでなく、返品に伴う物流のコストが計上されます。
在庫管理には、前述したさまざまなコストがかかります。なかには、在庫数間違いや発注漏れなどの人為的なミスで発生するコストもあります。そこでここからは、在庫管理のコストを削減する具体的な方法について解説します。
在庫管理のコストを削減するために、棚卸資産の評価方法を見直す方法があります。評価方法を変更すれば、在庫管理のコストの一種である棚卸評価損の数値を変えることが可能です。低価法ならば、実態を正確に把握できるため、在庫管理のコスト負担の改善につなげられます。
しかし、どのような方法で評価するかは業種によって異なります。評価に手間がかからないか、人件費や正確性も加味して評価方法を考えましょう。
在庫管理の難しさは、適正在庫の把握にあります。在庫に余剰を出せば無駄なコストがかかってしまいます。反対に、在庫が不足していれば、販売チャンスを逃し、経営の効率化につながりません。
常に適正な在庫数を維持するためには、現在の在庫数や有効な在庫数、販売が予想される在庫数などをリアルタイムで確認することが重要です。在庫状況に合わせた受発注を行うことで、コストを最小限に留めることが可能になります。
受発注をスムーズに行うことも、コスト削減につながります。電話やFAX、メールを用いたアナログな受発注業務を見直すことで、手作業で行っていた業務の労力や時間を削減できます。また、受発注業務にかかっていた人的コストの削減が可能といえるでしょう。
在庫管理のコストを的確に管理するために、在庫管理や受発注のデータをERPシステムの導入でデジタル化する方法があります。ERPシステムとは「統合基幹業務システム」のことで、バラバラに記録されている在庫や受発注のデータを一元化して、情報を正確に管理できるシステムです。
在庫管理以外にも、物流や人事、顧客管理など幅広い業務の効率化が可能です。近年のテレワーク普及にも対応しており、在宅勤務でも情報の共有やタスクの見える化が可能となるシステムです。また、手作業による人的ミスが減る効果も期待でき、適正在庫の維持が可能になるメリットがあります。ERPについては、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
「「ERP」とはどういう意味なのか?仕組みについてわかりやすく解説」
在庫管理のコスト削減にお悩みなら、Blue Tiger Consulting(ブルータイガーコンサルティング)へご相談ください。業務効率化におすすめのERPシステム選定から、実装後のサポートまで対応いたします。
今回は、在庫管理で発生するさまざまなコストや、その削減方法について解説しました。在庫管理には、在庫の保管場所の維持費だけでなく、さまざまなコストが発生します。在庫管理のコストを削減するためには、非効率な在庫管理方法を見直し、データのシステム化や在庫管理の一元化が必要です。
バラバラの情報を管理するためには、ERPシステムの導入がおすすめです。しかし、システムには種類が多く、業種や管理したい情報によって適正が異なります。在庫管理のコスト削減にお悩みの際は、Blue Tiger Consultingへご相談ください。企業に合ったシステムのご提案やサポートを行います。適切な在庫管理方法を見直し、コストの削減や業務効率化を図ってみてはいかがでしょうか。