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自社に合ったERPの開発方法(スクラッチ・パッケージ)を知ろう!
2021.06.25 > クラウドERP
ERP(総合基幹業務システム)とは、会計や在庫管理、顧客管理などが一元化されたシステムであり、導入すると業務の効率化や経営判断の迅速化などが期待されます。
導入するときは、「スクラッチ」といって自社向けに一から開発するか、すでに製品化されたシステムにするか悩む企業も多いです。
この記事では、両方を比較しながら、どのように選べば良いか紹介します。
ERPの開発方法は、大きく分けて3つです。それぞれのメリットやデメリットを知っておきましょう。
先述のとおり、ERPを一からオリジナルで開発する方法です。開発にあたっては、既存のツールもテンプレートも使わないので、「手組み」ともいわれています。
スクラッチは何も無いところから開発するため、自社の業務や商習慣に合わせたオリジナルのERPにすることが可能です。不要な機能は省かれているので、操作に迷う心配もありません。後から機能を追加するのも簡単です。導入後にかかる費用は保守管理くらいなので、ランニングコストを抑えられます。
スクラッチは開発費用が高額で、導入までの期間も長くなりがちです。システムの数や搭載する機能にもよりますが、数千万円から数億円ほどかかる場合もあります。開発期間が1年以上になるのも珍しくありません。
また、要件定義があいまいな状態で開発が進行すると意図した機能がなく、使い勝手の悪いシステムになる可能性があります。当初の効果が見込めないだけでなく、業務に支障を及ぼす恐れもあるでしょう。
開発から運用、保守管理も任せられる担当者を用意することをおすすめします。主に自社の業務を熟知している、システム開発の知見がある方なら安心です。
すでに製品化されているERPを導入する方法が「パッケージ」であり、数多くのメーカーからERPが販売されています。
パッケージは、すぐに導入できるのが一番のメリットです。初期費用もライセンス料や導入サポートなどで数百万円~と、スクラッチより抑えることができます。保守や運用はベンダー(ERPの供給元)が行ってくれるので、自社に詳しい担当者がいなくても安心です。
近年は、インターネット上にソフトウェアやデータを保管するクラウド型のパッケージもあり、パソコンとインターネット環境があれば、どこからでもアクセスできます。サーバーの設置も不要です。
初期費用もオンプレミス型(社内にサーバーを設置して、ソフトウェアをインストールする運用方法)のパッケージよりさらに少なく、数十万円程度で済む場合もあります。
パッケージに含まれるシステムや搭載されている機能は、すべてが自社の業務に合っているわけではなく、不要なものがあったり、逆に必要なものが足りなかったりします。導入にあたっては、ERPに適合できるように業務の進め方を見直さなければいけません。使いこなせるまで時間もかかるでしょう。
また、スクラッチより初期費用を抑えられても、更新やバージョンアップの際に追加のライセンス料が発生するなどして、ランニングコストがかさむ恐れがあります。
クラウド型でも、ユーザー数によって毎月数十万円程度のサブスクリプションが発生するため、長く使うほど総費用はスクラッチを上回るかもしれません。
基本的にはパッケージを使用しつつ、スクラッチでシステムや機能を追加することもできます。いわゆる「カスタマイズ」です。
カスタマイズによって、パッケージだけでは不足するシステムや機能を追加できます。一から開発するより費用を抑えられるのもメリットです。
ERPの中には、モジュール(部品)を組み合わせて構築できるパッケージもあります。これなら、自社に必要なシステムと機能だけを搭載したERPを開発するのも簡単です。独自の機能を追加したいときも、モジュールとして開発すれば、不具合があってもERP全体に及ぼす影響は少ないでしょう。
カスタマイズできる範囲には限界があり、スクラッチほど柔軟には対応できません。導入時のコストがかさむだけでなく、パッケージがバージョンアップしたときに、追加の作業や費用が発生する恐れがあります。
また、モジュールを追加するのではなく、パッケージそのものをいじるカスタマイズをするのは、不具合が発生するリスクが高めです。業務に支障が出ますし、修正するのも日数がかかります。
続いて、スクラッチにするかパッケージにするか、ERPを選ぶ基準を見てみましょう。
他社と差別化を図りたいときは、一から開発できるスクラッチがおすすめです。パッケージでは、どうしても業務に独自性をもたせづらく、戦略も画一的になってしまいます。自社ならではの習慣を個性として活かしたいときは、スクラッチのERPによってシステムや機能に反映できるでしょう。
逆にパッケージのERPを導入すれば、業務を標準化できます。使い方さえ分かっていれば、誰でも同じ業務ができるため、特定の従業員に依存するのを防げるでしょう。パッケージの導入を機に、業務を見直すのも良いかもしれません。
パッケージのERPは、システムや機能が豊富な反面、自社にとって必要なものを余さず搭載しているわけではありません。不足している部分を、独立した別のシステムや異なる方法で運用すると、かえって非効率になり、ERPの利点を最大限に発揮できません。
その点、スクラッチであれば、必要なものを余さず搭載できて、逆に不要なものは搭載しないという選択ができます。
パッケージのカスタマイズは、内容によって大がかりになるため、結果としてスクラッチと費用も導入までの期間も、あまり変わらないかもしれません。先述のとおり、カスタマイズによって不具合が生じる可能性もあります。
それならば、一からERPを構築できるスクラッチのほうが効率的であり、業務上のトラブルも防げるでしょう。
こうした独自の機能が不要だったり、ERPの導入を機に業務の進め方を変更したりするのであれば、パッケージでも十分に対応できます。最近のERPは幅広い業務に対応できるよう、搭載されているシステムや機能が豊富です。
一からスクラッチで開発するのは費用と期間がかかりますし、パッケージをカスタマイズするのは不具合の原因になるかもしれません。
そこで、ERPはパッケージのまま使い、対応していない部分については、独立したシステムとして、別途スクラッチで開発するという方法もあります。双方を連携して、データをやり取りできるようにすれば、利便性も高まるでしょう。ERP自体をいじらないので、大きな不具合が発生する心配もありません。
実際に、パッケージのERPの中には、会計や在庫管理、顧客管理など個別のシステムと連携できるものが多く、費用を抑えながら業務に即した運用ができます。
ERPの導入には、専門的な知識が必要です。一からスクラッチで開発するにしても、パッケージにしても、自社の業務に則した要件定義ができなければ、使いづらくて役に立たないERPになってしまいます。しかし、自社でそのための人員を確保するのは困難です。
Blue Tiger Consulting(BTC)では、ERPの導入支援サービスを提供しております。豊富な経験や技術、ノウハウに基づいて、コンサルタントが企業の悩みに合ったERPや開発方法の提案が可能です。
ERPの導入でお悩みの際は、ぜひBTCへご相談ください。
ERPを導入するときは、自社の独自性に合わせたいならスクラッチ、初期費用を抑えたいならパッケージがおすすめです。パッケージをカスタマイズする選択肢もあります。最近のERPは機能が充実しているため、少しカスタマイズするだけで自社に合ったものを導入できるでしょう。