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業務改革(BPR)とは?業務改善との違いや成功のポイントを紹介
2022.01.02 > 業務効率化
近年「業務改革(BPR)」を通して、業務プロセスを抜本的に変えていこうとする企業が増えています。とはいえ、そもそも業務改革(BPR)とはどのようなものか、具体的に理解していないという方もいるでしょう。
そこで今回は、業務改革(BPR)の定義や、業務改革(BPR)導入のメリット、デメリットなど基礎知識を解説します。
バブル崩壊後の日本で推進されていた「業務改革(BPR)」ですが、近年再び注目されるようになっています。
まずは、業務改革(BPR)の定義や、業務改革(BPR)が注目されている背景を見ていきましょう。
業務改革(BPR)とは、「Business Process Reengineering(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)」の頭文字を取った略称です。
既存の組織や業務の仕組み、あり方を根本から見直して再構築し、目的の達成を目指すことを指します。
業務改革(BPR)と似たような言葉に「業務改善」がありますが、このふたつの言葉は異なる意味をもちます。
・業務改革(BPR):既存の組織や業務全体を見直し、再構築すること
・業務改善:既存の業務の一部を改善すること
また、組織や業務を根本から見直す業務改革(BPR)と、狭い範囲での改善を行う業務改善では、プロジェクトの発足から完了までの期間も変わってきます。
・業務改革(BPR):数ヶ月~1年以上の期間を費やすことも多い
・業務改善:数週間程度で終わることが多い
さらに、業務改革(BPR)と業務改革では、プロジェクトに関わる人数も異なります。
・業務改革(BPR):組織や業務の仕組みやあり方を変えるため、中心となるチームはいても、組織や企業全体が参加する必要がある
・業務改善:主に対象となった部門のみが参加する
このように、業務改革(BPR)は組織や企業全体で改革に取り組み、仕組みやあり方自体を変えるため、取引先などの外部関係者まで影響が及ぶ可能性があります。
業務改善の場合、影響が出る範囲は個人や部門内に収まるでしょう。ただし、多くの業務が改善されれば、組織の生産性や利益が向上することが期待できます。
業務改革(BPR)は1990年代初頭、長期不況に苦しむアメリカで、企業が経営を立て直す手段として誕生しました。そして、業務改革(BPR)とIT化を進めた結果、アメリカの経済が回復したといいます。
それにならい、日本でもバブル崩壊後に業務改革(BPR)が推進されましたが、アメリカのようにうまくはいきませんでした。
当時の日本の組織や企業は、アメリカの業務改革(BPR)のノウハウをそのまま転用していましたが、アメリカと日本では習慣や考え方が大きく異なるため、日本の組織や企業には合わなかったのです。
1度は失敗に終わった日本の業務改革(BPR)ですが、近年働き方改革や少子高齢化などにより、より柔軟に働ける環境の整備が求められていることから、再び注目を集めています。
業務改革(BPR)は組織や企業にとって大きな転機となるため、メリットとデメリットを十分に把握したうえで導入を決めることが重要です。
まずは、業務改革(BPR)導入が、組織や企業にとってどのようなメリットをもたらすのかを見ていきましょう。
業務改革(BPR)のメリットのひとつが、生産性の向上です。業務改革(BPR)では、部門ごとではなく、組織全体の構造や業務工程を見直すため、無駄な業務を発見しやすくなります。
発見した無駄な業務を削減し、業務効率がアップすれば、組織全体の生産性が向上するでしょう。
コスト削減につながることも、業務改革(BPR)のメリットです。業務改革(BPR)によって無駄な業務を削減すれば、そこに割かれていた人的コストも削減できます。
無駄な労働時間が減少して残業が減れば、残業代などのコストも削減できるでしょう。
残業時間が減るなどして労働環境が改善すると、社員満足度が向上しやすくなります。
社員満足度が向上すると、社員の心に余裕が生まれたり、組織や企業への貢献意識が増したりするため、製品やサービスの質が良くなるでしょう。製品やサービスの質が良くなれば、顧客満足度も向上していきます。
生産性向上や社員満足度の向上、コスト削減などのメリットが期待できる業務改革(BPR)ですが、デメリットも存在します。
業務改革(BPR)のデメリットのひとつが、導入コストです。業務改革(BPR)を導入すると、既存の情報システムから、新たな情報システムへの変更が必要になることがあります。
情報システムの大幅な変更は、高額な費用がかかること多いものです。高額な導入コストがかかると、それが業務改革(BPR)の足枷になるかもしれません。
業務改革(BPR)を導入すると、組織や企業全体で構造や仕組み、業務工程が大きく変化します。慣れた環境や手順を変えなくてはいけないため、現場が混乱する可能性があるでしょう。
業務改革(BPR)によって新たな業務が発生し、かえって社員の負担が増すことも考えられます。その負担が大きすぎると、社員満足度が向上するどころか、社員に不満が溜まってしまうでしょう。
業務改革(BPR)を成功させるには、慎重にプロジェクトを進めることが大切です。時間とコストを費やした業務改革(BPR)が失敗に終わらないよう、成功のポイントを押さえておきましょう。
業務改革(BPR)を成功させる重要なポイントのひとつが、スモールスタートで開始することです。
業務改革(BPR)は組織や企業全体を変革させるものですが、全社で一気に進めるのには大きなリスクをともないます。まずは小さな範囲から改革を進め、徐々に拡大していくと成功しやすいでしょう。
組織や企業には多くの業務があり、多くの人が関わっています。1度業務改革(BPR)を行い、無駄な業務の整理などを行っても、時間が経つと再び無駄が出てくるでしょう。
そのため、業務改革(BPR)は1度やったら完了ではなく、継続的に行うことが大切です。PDCA(計画、実行、評価、改善)を繰り返し、最終目標の達成を目指しましょう。
業務改革(BPR)を成功させるには、経営陣から末端の従業員まで、全員が共通認識をもって同じ方向に進んでいく必要があります。
一方的な押し付けにならないように、関係者全員で価値観や目標をすり合わせ、一致させることが大切です。
業務改革(BPR)を成功させたいなら、ERP(基幹業務システム)の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
ERPとは、会計や人事、生産、物流、販売といった組織や企業の基幹業務を統合し、一元管理するシステムです。ERPを導入すると業務を効率化できるだけでなく、社内での情報共有も容易になります。
Blue Tiger Consulting(ブルータイガーコンサルティング)なら、クラウドERPの導入をとおして業務改革(BPR)をサポートすることが可能です。お客様に最適な支援を提案いたしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
組織や企業のあり方や業務工程を根本的に見直す業務改革(BPR)は、成功すれば生産性向上、従業員や顧客の満足度向上、コスト削減といった大きなメリットをもたらします。
しかし、導入に多額のコストがかかる可能性があり、現場が混乱する、社員の不満が増すなどのリスクもはらんでいます。
業務改革(BPR)を成功させたいなら、まずはしっかりと計画を立てること、そして小さい範囲からはじめてみることが大切です。
業務改革(BPR)に役立つシステムを取り入れたい、全従業員が共通認識をもてるよう情報共有を円滑にしたいというときは、ぜひBlue Tiger Consultingにご相談ください。