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会計ソフトとERPの違いとは?ERPにしかないメリット
2022.03.17 > クラウドERP
会計ソフトは経理業務を効率化してくれますが、ほかの業務と連携させるのであれば、「ERP」を導入すると便利です。
しかし中小企業の場合、ERPの導入はオーバースペックではないかと担当者は心配するかもしれません。この記事では、会計ソフトとERPのどちらを選べば良いのか、違いや比較するポイントについて紹介します。
まずは、会計ソフトとERPの概要について知っておきましょう。
会計ソフトとは、文字通り経理業務に特化したソフトウェアです。
仕訳を入力するだけで、勘定科目ごとに振り分けられ、各帳簿に記録してくれます。同時に賃借対照表や損益計算書も更新され、年度末には少ない手順で決算まで終わらせることが可能です。
会計ソフトを使わない場合、一つの仕訳が発生するたびに、複数の帳簿に記録する作業が発生します。賃借対照表や損益計算書を見るには、各勘定項目を計算して作成しなければなりません。決算も同様です。
もしも間違いがあれば、仕訳まで遡って修正しなければいけません。経理についての専門的な知識も必要です。
しかし会計ソフトの出現により、先述した手間が省かれるようになり、業務が大幅に簡略化されました。それにともなって人員を削減できたり、ほかの部署に回したりできるのは大きなメリットです。
会計ソフトには、企業のPCにインストールするタイプと、クラウド上から呼び出して使うタイプの2種類が流通しています。
ERPとは、「Enterprise Resource Planning」の頭文字で、直訳すると「企業資源計画」です。一般的には「統合基幹業務システム」の呼称として使われています。
会計をはじめ、あらゆる業務のシステムが含まれており、部門ごとに利用できるのはもちろん、入力されたデータをすべてのシステムで共有できるのが大きなメリットです。
たとえば、販売管理のデータを利用して在庫管理をしたり、顧客情報のデータを営業支援に役立てたりすることができます。データを入力するたびに、すべてが更新されるので、情報はどのシステムでも常に最新です。
ERPも、会計ソフトと同じくPCにインストールするタイプと、クラウドから呼び出して使うタイプの2種類があります。
前者は企業ごとのカスタマイズに強く、後者はインターネットに接続できる環境であれば、どこからでもアクセスできるのが強みです。
会計ソフトとERPには、機能や費用、対応する業務などに違いがありますので、それぞれを比較しながら解説しましょう。
業務の範囲は「スコープ」とも呼ばれ、企業の業務に必要なツールを選択することが大切です。
対応できる業務範囲は会計業務のみで、基本的な財務管理を効率化できれば十分という企業には最適です。
反対に、より広い範囲の業務をカバーしたいという場合には、会計ソフト単体では不十分になります。
それぞれ必要なソフトを個別に導入すると、ツールの連携や操作性の違いによって、業務を効率化するまでには時間がかかるかもしれません。
そのような場合には、ERPを導入する方が適しているでしょう。
業務範囲は会計ソフトよりも幅広く、組織全体の業務を管理できます。
人事や給与などの社内に関する業務だけではなく、営業や販売業務全般など、運営や経営に必要とされる管理を、一元的にカバーできるのです。
それぞれの機能が連携しているため、自動的に情報が共有され業務の効率化としても優れています。
それぞれの機能の違いについて具体的に見ていきましょう。
会計業務に特化した機能が備わっています。
日常的に必要な帳票や伝票入力、仕訳や資金管理、予実管理などを効率化できるため、業務負担の軽減にもつながるでしょう。
また、経営状況をスムーズに視覚化できるため、財務分析としても活用できます。
そして、入力された情報から、決算に必要な貸借対照表や損益計算書を作成できるため、財務に関する業務全般の効率化が可能です。
ただし、備わっているのは会計業務に関連する機能のみですので、そのほかの範囲はカバーすることができません。
ERPは幅広い業務を網羅するために、さまざまな機能が統合されたシステムです。
充実した機能の中には、勤怠管理や給与など人事に関する管理から、製造業や卸売業にも必要な販売管理、生産管理、購買管理、在庫管理などが含まれます。
また、効率的な営業活動を行うための営業管理も可能です。
もちろん、会計ソフトの機能もカバーしていますので、財務会計管理の面でも問題ありません。
ただし、ERPは提供している会社によっても含まれる機能に違いがありますので、企業に適した内容かを見極める必要があります。
費用に関してもふたつには違いがありますので、費用対効果を含めて検討することが必要です。
費用が抑えやすく数千円から導入可能です。
しかし、導入規模や利用人数が大きくなるほどに高額となり、条件によっては10万円以上必要になることもあります。
また導入方法によって、料金の支払い方も異なるため注意しておきましょう。
インストールするタイプは、導入時やバージョンアップの際に、その都度料金を支払う形となります。一度払ったあとは次のタイミングまで費用が発生しません。
それに対してクラウド型は、毎月定額の料金が発生しますので、一定のランニングコストがかかります。その反面、一度に支払う金額は少額になりやすいでしょう。
基本的には会計ソフトよりも高額になりやすく、資金繰りが厳しい中小企業では導入が難しいかもしれません。
その場合でも、最低限必要な機能を選んでERPを導入するコンポーネント型であれば費用を抑えられます。
不必要なシステムを省くことができ、コストを最適化できるため中小企業でも導入しやすくなるでしょう。
事業範囲を海外まで広げている場合はどちらのソフトが適しているのか解説します。
一般的に、海外展開に対応できる会計ソフトは少ないため、海外事業を考えている企業には最適とはいえません。
一部海外でも使用できるタイプもありますが、会計ソフト単体の導入では事業展開にも限界があるでしょう。
クラウド型であれば、本社と海外拠点で同じシステムの導入が可能です。
離れた場所から情報共有が容易で、海外の拠点に対してもさまざまな管理が行えます。
また、各国の異なる会計基準にも対応したタイプがあるため、統一した会計処理をする場合にも重要です。
海外展開を見据えた企業であれば、会計ソフトではなくERPの導入を検討した方が良いでしょう。
それぞれの特徴から、どのような場合に導入すべきかを紹介します。
企業が現在抱えている課題が会計業務のみの場合は、会計ソフトの導入で十分な改善が見込めます。
企業の会計では、伝票入力や仕訳など普段から時間を要する業務も多く、さらに決算まで対応すると非常に負担が増えやすいです。
しかし、大きなコストをかけられない企業や、業務の規模が小さい個人事業主などにとって、ERPは最適ではありません。その理由は、高額になりやすく不必要な機能も増える可能性があるためです。
また、会計以外の業務に関して、すでに導入しているツールで満足していたり、課題を感じていなかったりするケースもあるでしょう。
そのため、会計業務の効率化のみにスポットを当てたい企業にとっては、会計ソフトの導入がおすすめです。
複数の業務に課題を抱えている企業の場合は、会計ソフトの導入だけでは不十分かもしれません。
特に業務範囲が広く規模の大きな企業では、各部門でさまざまな管理が必要になり、それぞれに状況や課題も異なります。
統合されたシステムを使用していないと、同じような入力作業を複数の部門で重複して行っている可能性もあるでしょう。
そこで、ある程度のコストをかけられる場合は、企業全体を統合して大幅な業務の効率化が期待できるERPの導入がおすすめです。
会計ソフトのように局所的な改善ではなく、さまざまな管理業務を全体的にカバーでき、一元管理することによって最低限の入力作業で情報を共有することができます。
管理すべき業務の規模が大きくなるほどに、ERPの必要性は高まるでしょう。
会計ソフトを導入することによって、会計業務の正確性や効率性が向上し、業務負担を大幅に改善できます。
しかし、会計分野にのみ特化したシステムであるため、業務全体をカバーすることはできません。
会計ソフト導入後にほかにも効率化したい業務がある際は、また別のシステムを導入する必要があります。
この場合、システム同士の連携がうまくいかない可能性もあるため、十分な効果が得られないこともあるでしょう。
また、連携できないシステムを複数使用していると、反対に運用の手間が増えたり、ミスが発生しやすいなどの問題が発生したりする可能性もあります。
せっかくコストをかけてツールを増やしても、効果が得られずミスが起こるようでは意味がありません。
そのため、会計ソフトで対応できる業務を正確に把握し、企業の業務課題や将来性なども見据えながら、導入を検討することが大切です。
状況によっては、最初からERPを導入していた方が、最終的なコストが削減でき、高い効果が得られる可能性もあります。
ERPを活用することで、会計業務にどのようなメリットをもたらすのかを紹介します。
会計に必要な情報処理は各部門や業務ごとに存在します。
そのため、企業の規模が大きくなるごとに会計処理は増え、相違やミスも発生しやすい状況になるでしょう。支店などがある場合は、さらに情報を統合するための作業が大変になるかもしれません。
そこで、ERPを用いることで、部門や業務ごとのデータの紐付けが可能で、情報の共有が簡単に行えるようになります。
これによって、それぞれで行っていた会計処理の手間も削減でき、海外展開している企業であっても、エリアを問わず情報共有が可能です。
また、一元管理することによって得られる正確なデータは、経営判断をするときにも欠かせません。
現状の改善や今後の展開など、対策や予測の精度を上げるためにも、ERPの導入は重要になるでしょう。
部署ごとに別々のシステムを利用している場合は、データを計上するタイミングに差が生まれる可能性が高いです。
その際は、部署ごとに計上されるのを待つ必要があり、集めた情報を経理担当者が再度入力する手間がかかり、ミスが発生する可能性も高まります。
業務負担が増えやすく、非効率的な作業が多くなるため、生産性を下げる原因にもなるでしょう。
そこで、ERPを導入すれば、必要な情報をリアルタイムで入手できるようになります。
二度手間になっていた入力作業もなくなり、時間や作業の効率を大幅に改善できることで、生産性の向上にも期待できるのです。
リアルタイムで状況を把握できると、より迅速な経営判断や的確な目標設定、課題の明確化もしやすくなります。
ERPを導入するときは、どのような点を重視して選べばいいのか、5つ紹介します。
ERPによって搭載されているシステムや機能はさまざまです。導入しても必要なシステムや機能が含まれていなければ、自社の業務に役立てることはできません。
ERPのなかには、後から拡張したり、カスタマイズで独自に機能追加したりするのが可能なモデルもありますが、費用や導入までの時間がかかります。なるべく、最初から必要な機能が備わっているモデルを選びましょう。
ERPの利用には、インストール型でもクラウド型でも費用がかかります。
インストール型は導入やバージョンアップのときに多額の費用がかかる反面、毎月の費用はそれほどかかりません。一方、クラウド型は導入やバージョンアップの費用は基本的にかからず、毎月一定額が請求されます。
ただし、インストール型は自社でサーバーを用意しなければいけません。メンテナンスやセキュリティ対策も自社で行わなければいけませんから、その分の費用が発生します。
一方、クラウド型のデータはメーカーのサーバーに保管されますし、メンテナンスもセキュリティ対策も自社で行う必要はありません。
このようにERPそのものにかかる費用以外の運用コストも考慮した上で、決めたほうが良いでしょう。
ERPは多くの従業員が利用します。画面のどこに何が表示されているか、一目で分かりやすく、直感的に操作しやすいのが理想です。
あまりにも利用しづらいと、次第に敬遠されるようになり、ERPとしての役目を果たさなくなります。できれば、事前に無料で一定期間試せると良いでしょう。
導入するときはもちろん、利用を始めてから使い方が分からなくなったり、なんらかのトラブルが発生したりするときに、サポートを受けられると安心です。
費用はかかりますが、自社だけで対応するのも、専任の担当者を配置しなければいけないなど、同様の負担が生じます。多機能なERPほど、充実したサポートが欠かせません。
ERPを利用する上で心配なのが、外部からの不正アクセスや情報漏洩です。クラウド型であれば、セキュリティはメーカー側で対策しますが、強度はERPによって異なります。なるべく、セキュリティの強度が高いERPを選びましょう。
もちろん、企業側でもIDやパスワードの漏洩、記憶媒体への保存を防ぐための対策が必要です。
Blue Tiger Consulting(ブルータイガーコンサルティング)では、ERPの導入をサポートしております。弊社で基本設定を行い、最短3ヶ月での導入が可能です。また、保守管理ではトラブルや不明点が発生したときの窓口となり、早期の解決に努めて参ります。
会計ソフトの代わりにERPの導入をお考えの際は、ぜひご相談ください。
ERPには、会計業務をはじめとする複数の業務システムが含まれており、データを1ヶ所に集約できるのが一番のメリットです。中小企業向けに、システムや機能の数を必要最小限に抑え、後から追加できるコンポーネント型もあります。
さらにクラウド型なら、いつでも最新のバージョンであり、インターネット環境があれば、どこからでもアクセスが可能です。複数の業務を効率化したいときに役立つでしょう。