ブログ
ブログ
オンプレミスからクラウドへ移行するメリット|移行方法も徹底解説
2022.01.02 > クラウドERP
基幹業務システム(ERPシステム)を、オンプレミス型からクラウド型へ移行しようと検討しているなら、業務の柱となるだけにしっかりと特徴を理解してから移行したいところです。
この記事では、オンプレミス型とクラウド型の特徴、オンプレミス型からクラウド型へ移行するメリットや注意点について紹介します。
まずは、オンプレミス型とクラウド型の違いを、おさらいしておきましょう。
オンプレミス型は、自社内にサーバーやネットワーク機器などのハードウェアを設置して、システムを運用する方式です。データはサーバーに保存され、ソフトウェアをインストールした社内の端末から社内ネットワークを通してアクセスします。ソフトウェアの利用にあたっては、使用するユーザー数に応じてライセンス料を支払わなければなりません。
閉じたネットワークの中で運用されるため、セキュリティを高めやすく、カスタマイズも容易な反面、保守管理の手間がかかります。運用にあたっては、システム管理者が必要です。
また、初期費用が高額であり、導入するまで日数がかかるというデメリットもあります。導入後もソフトウェアのアップデートは手動で行い、更新料を支払わなければならないのが大きな負担です。サーバーの保守管理にも費用がかかります。
クラウド型は、インターネットにアクセスしてシステムを利用する方式です。サーバーやソフトウェアは、インターネット上にあり、データもインターネット上に保存されます。
インターネットに接続できる環境なら、どこでも利用できるので、外回りやテレワークにも便利です。遠く離れた支社や営業所でも、別途設備を用意せずに、同じシステムを利用できます。
近年、通信回線の高速化や仮装化技術(ソフトウェアによって、サーバーやハードディスクの一部を、独立したハードウェアのように扱える技術)の発達によって普及しています。
続いて、オンプレミス型からクラウド型へ移行するメリットを3つ見てみましょう。
クラウド型は、利用にあたって月額(または年額)料金を支払います。料金は、サービスの範囲やユーザー数、時間などによって変動する従量課金制です。
オンプレミス型は、導入が完了すると、基本的に利用料は発生しません。その点では、クラウド型のほうが割高に思えるでしょう。
しかし、オンプレミス型はサーバーを稼働させる電気代や、運用するシステム担当者の人件費が発生します。サーバーが壊れたときは修理や入れ替えの費用がかかり、先述のとおり更新料も必要です。
こうした費用が発生しないクラウド型は、意外にお得といえるでしょう。さらに、支払うのは毎月(または毎年)の利用料だけなので、予算の見通しが立てやすいというメリットもあります。
また、契約プランの変更も簡単なため、事業の拡大や縮小に応じて、規模や費用に無駄のない運用ができるでしょう。仮に利用しなくなっても、契約を終了すれば良いだけで、オンプレミス型のように、サーバーやソフトウェアの処分にかかる手間や費用は発生しません。
クラウド型は導入が簡単です。サービスを提供する事業者(メーカーやベンダー)と契約すると、サーバーにアクセスするためのIDとパスワードが発行されます。インターネットで接続してログインすると、それだけで利用が可能です。
オンプレミス型のように、自社でサーバーを設置したり、ネットワークを構築したり、ソフトウェアをインストールしたりする手間は発生しません。早ければ契約から導入まで1週間もかからないでしょう。さらに、これらの設備を用意する必要がないので、初期費用を大幅に抑えられます。
クラウド型のメンテナンスは、サービスを提供する事業者の役割です。障害が発生したときも、自社では何もする必要はありません。
自社で災害が発生したときも、システムやデータはサービスを提供する事業者によって保護されています。サービスを提供する事業者側で発生したとしても、ミラーリングで別の拠点にあるサーバーに同じデータが保存されているので、すぐに復旧できます。
ソフトウェアの更新も自動的に行われるので、常に最新の状態です。業務に関する法改正があるときも、すぐに対応してくれます。
では、オンプレミス型からクラウド型へ移行するには、どのような手順で進めれば良いのでしょうか。
移行にあたっては、新しい基幹業務システムに対する十分な下調べが必要です。
たとえば、クラウド型はインターネットを通してデータのやり取りをするため、どのようなセキュリティ対策をしているのか気になります。簡単に外部に漏えいするようでは、安心して利用できません。
サービスを提供する事業者では、不正アクセスを防止したり、通信を暗号化したりするなどの対策を行っています。ただし、セキュリティが高度になるほどランニングコストもかさむため、どこまでの業務をクラウド型にするのか、慎重に検討したいところです。
ほかにも、扱えるデータの種類やアクセス権限の設定、従来の基幹業務システムとの違い、連携できる他システムなどについて確認しておきましょう。
導入が決まったら、スケジュールを立てて、社内に告知します。同時に管理者と利用者向けにマニュアルを作成し、必要であれば事前教育も実施しましょう。
サービスを提供する事業者との契約や、アクセスに必要なID、パスワードの発行が済んだら、本番と同じ環境でテストを実施します。あらかじめ、テストしたい項目をチェックリストにまとめておくと、スムーズに進められるでしょう。問題が発生するようであれば、設定を変更したり、カスタマイズしたりするなどして改良し、再度テストを実施します。
本格的に稼働した後も、テストではわからなかった問題が発生する可能性があるため、年中無休で24時間対応してくれるなど、サポート体制が充実していると安心です。
最後に、オンプレミス型からクラウド型へ移行するときの注意点を知っておきましょう。
クラウド型は、オンプレミス型に比べると、カスタマイズが限定されるという欠点があります。最近では、API(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)によって、異なるシステムとデータを連携するのも容易になっていますが、すべてに対応しているわけではありません。
そのため、移行にあたっては、社内で利用している既存のシステムとデータの連携ができるか、サービスを提供する事業者に確認しましょう。
既存の社内システムの中には、インターネットを通した連携ができないものがあり、クラウド型のシステムも該当します。クラウド上にあるVLAN(プライベートネットワーク)を利用する閉域網接続で可能になる場合もあるので、そのようなサービスを提供しているか確認しましょう。
これまで紹介してきたとおり、基幹業務システムをオンプレミス型からクラウド型へ移行するには、さまざまな問題が起こり得ます。自社だけで対応するのは困難であり、ベンダー側でサポートしてくれると安心です。
Blue Tiger Consulting(ブルータイガーコンサルティング)では、クラウド型のERPシステムを導入する支援を行っております。お客様のご要望や他システムの利用状況に合わせて、最適な環境を構築いたしますので、オンプレミス型からクラウド型への移行をお考えの際は、お気軽にご相談ください。
クラウド型は、オンプレミス型と比べて保守管理の手間がかからず、短期間で簡単に導入できるというメリットがあります。一方で、カスタマイズが限定されるため、既存のシステムと連携できるか確認が必要です。セキュリティ対策についても重視しましょう。