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ERPとは|導入するメリット・デメリットを詳しく紹介!
2022.03.15 > クラウドERP
ERP(統合基幹業務システム)は、企業が業務効率化を図る際に活用されている「業務管理手法」のひとつです。テレワーク化が進む近年、ERPを導入する企業は増加傾向にあります。
企業全体の情報管理に悩み、ERPの導入を考えている経営者も多いのではないでしょうか?しかし、ERPの基本的な仕組みや、経営効果へのイメージが湧かなければ導入に踏み込めないことでしょう。
今回は、ERPの仕組みや、導入のメリット・デメリットについて詳しく解説します。
企業にとって業務の効率化は、常に意識しなければならない重要な課題です。そんな課題と向き合うなか、企業の経営に役立つといわれている「ERP」という名前を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?ここからは、ERPの基本を詳しく解説します。
経営に役立つといわれているERPとは「Enterprise Resource Planning」の略語です。「企業資源計画」と訳されるERPは、分かりやすい言葉にすれば「企業経営の資源要素を有効活用する考え方」のことです。
例えば、ひとつの商品を生産するにあたり、人事や財務、計画、生産、流通、販売などそれぞれの部門でルールを作成していたとします。すると、その部門から手が離れる度に「情報管理方法の誤差」が生まれてしまいます。各部門で連携が取れていないということは、スムーズな経営判断の妨げに繋がるのではないでしょうか。
そこで、各部門のルールをひとつのシステムで運用することにより、経営を効率化しようという考えが生まれました。ERPは業務管理手法のひとつであり「企業の基幹業務を統合するシステム」であることから、「総合基幹業務システム」と呼ばれています。
今までは、ERPのようなITシステムへの投資は、中小企業にはあまり浸透していませんでした。ITに詳しい人材が不足していたこと、ITシステムへの投資効果が不透明であったこと、莫大なコストがかかることが理由として考えられます。
しかし、近年では、ERPを導入する中小企業が増加傾向にあります。どこも後継者不足や人手不足に頭を抱えており、いかに業務を効率化できるかといった点が、経営を促進する鍵となっているようです。
ERPには、部門を超えた情報管理のために、以下のような複数の基幹システムが統合されています。
・人事給与(勤怠管理)
・販売管理
・生産管理
・購買管理
・在庫管理
・営業管理
・財務会計管理
ERPとは上記のような、今まで各部門で管理されていた情報を統合し、運用できるようにしたものです。ERPを導入することで、独立して構築・管理・運用されていた業務システムを統一できます。企業全体の情報を一括管理できれば、業務の効率化や経営情報の有効活用が可能です。
ERP導入によるメリットは大きく4つ挙げられます。
ERP導入により、今までバラバラに管理していた企業内の情報を、ひとつのシステムで管理できるようになります。部門ごとの認識のズレや、情報通達の遅れを防ぐことが可能です。
これまで、業務処理を行う際に、関連データを個別に変更や修正する必要がありました。
ERPを活用すると、ひとつの業務処理で関連情報も連携して自動的に即時更新することが可能です。データの送受信にかかっていた時間の大幅な削減につながります。
情報の一元化により、業務の効率化を図れます。取引や生産に関する情報を、各部門でバラバラに記録・管理していては、データに重複が起きてしまいます。しかし、システム上で連携し、無駄な工数を減らすことで業務の効率化が期待できます。
ERP導入により、システム上で「今知りたい情報」をリアルタイムで確認できるようになります。
売上や在庫のデータ、顧客管理など最新情報を見える化でき、状況を即時に把握することが可能です。リアルタイムに正確な情報を把握できると、迅速かつ最適な経営判断が行えるようになります。
ERPには、さまざまな業種の運営における、標準的な知識やノウハウが蓄積されています。ERP導入からの自社データを踏まえ、データベースによる情報や成功企業の事例を活かした運用が可能です。
実績が豊富なERPであれば、多くの成功事例と自社を比較でき、現状と目標との差異も把握しやすくなるでしょう。
ERP導入により、経営の効率化に影響を与える人材や生産物、お金の流れを総合的に管理することで、企業全体の情報活用や業務の効率化を図れます。しかし、以下のようなデメリットも挙げられます。
ERPの種類や価格は多岐にわたり、自社に合ったシステムを選ぶのは至難の業といえます。ERP導入を検討している企業も、専門知識を持っている人材がいないことで、二の足を踏む結果になることも多いのではないでしょうか。
ERP導入のデメリットにはコストの問題が挙げられます。システムの選定や導入過程での負担は中小企業にとって小さなものではありません。また、導入後にも保守費用やバージョンアップなどに費用がかさむ場合があります。
企業全体の情報を管理するシステムであることから、今後の業務効率化への投資と考えるのが良いでしょう。
ERP導入により業務効率化が期待されますが、社員全員のデータ管理能力の足並みを揃える必要があります。今まで使ってきたシステムや、管理方法に慣れ親しんでいる社員は、新しいシステムの運用に戸惑いを見せることが考えられます。
しかし社員全員が、正確なデータ入力をできなければERP導入のメリットを存分に発揮できません。説明会や研修の機会を設け、段階的に進めていく必要があります。
ERP導入には、システム選定やコストに関するデメリットもあります。しかし、業務効率化のメリットを見越せば、有効な経営戦略への投資といえるのではないでしょうか。
ここからは、各分類におけるERPの主な種類について解説します。
ERPの導入には、ふたつの形態があります。サービスや機能が異なるため、最適なERPシステムを見極めることが大切です。ここでは「クラウド型ERP」と「オンプレミス型ERP」について詳しく解説します。
インターネット上にシステムを構築する形態を「クラウド型ERP」と呼びます。自社でサーバーを保管する必要がないため、短期間で導入できるのがポイントです。
また、開発や設定の手間を減らせることが大きな特徴です。初期費用やランニングコストもオンプレミス型より安価というメリットもあります。
クラウドERPはオンライン上に構築されているため、インターネット環境さえ整っていればどこにいても利用できます。クラウドERPを通して社内の情報共有が可能であることから、近年増加傾向にあるリモートワークにも適しているといえるでしょう。
しかし、少人数での利用には向いていますが、利用者が多かったり長期間利用したりする場合は、コストが高くなる可能性があります。そのほか、クラウド上へのアップロードを行うため、専門知識がなければセキュリティ面での不安がデメリットとして挙げられます。
オンプレミス型ERPとは、自社サーバーにシステムを構築する形態のことです。自社にシステムを保有・運用するため、自由にカスタマイズできるという利点があります。
デメリットとしては、導入コストが高額になることが挙げられます。そのため、大企業や長期利用に向いているといえるでしょう。
クラウド型ERPシステムが提案される前は、オンプレミス型が主流でした。そのため、今でも多くの企業がオンプレミス型を導入しています。
企業の規模やコストパフォーマンスを考慮して最適なシステムを選択しましょう。
ERPは業務範囲によっても大きく3つのタイプに分かれています。それぞれの違いを理解して自社に最適な種類を見つけましょう。
すべての業務システムをカバーするERPで、文字通り全体を統合するタイプです。一般的にERPといえば統合型がイメージしやすいかもしれません。
導入後はひとつのデータベースで一元管理するため、業務の効率化や最新情報のリアルタイム更新など、多くのメリットが得られるでしょう。
大規模な事業者や業務範囲が幅広く部署ごとに管理しにくい場合などは、統合型ERPを導入することで大幅な改善が期待できます。
また、機密性の高いデータを扱う際も、ひとつのデータベースで安全に管理しやすいです。
ただし、すべてのシステムをカバーするためには多くの時間とコストが発生します。統合するシステムが多いほどに負担が増える可能性が高いです。
ある業務に焦点を当てて導入するERPのことで、会計業務や顧客管理などの特定のシステムをソフトウェア化して管理するタイプです。
効率化の必要性が高い業務の改善に有効で、比較的コストが低く短期間で導入できます。そのため、小規模事業者など部分的な改善でも高い効果が見込める事業者におすすめです。
しかし一部の業務に特化しているため、会社全体の効率や生産性などを改善したい場合には最適ではありません。
とはいえ、人事や給与などが十分に管理できている場合に、統合型を導入すると必要性の低い機能も増えるため、費用対効果が低くなる場合もあるのです。
必要な基幹システムのみを選択して統合するタイプです。必要に応じて既存のシステム機能の追加や拡張が可能で、新しく開発したシステムとの統合などもできます。
さまざまな変化に対応しやすく、市場の流れに沿ってシステムを最適化できることが大きなメリットです。また、最低限の機能のみを選択できるため導入にかかる時間とコストを抑えられます。
ただし、業務ソフト型と同様に機能が限定的になるため、すべての業務を効率化することはできません。
また、一部を統合することで不具合が発生するリスクもあり、最終的に根本的なシステム改修が必要になる可能性もあります。
ERPの販売方法は大きくふたつに分かれています。
一般的な企業の業務に必要な機能を最初から備えた汎用タイプのERPです。
提供している会社ごとにパッケージの特徴があり、自社に適したタイプを選んで導入します。実績が豊富なものは成功事例も多く安心です。
導入までにかかる期間やコストを抑えられ、オプションで研修やメンテナンスを受けられるサービスもあります。しかし、オーダーメイドではないため、機能が自社に完全にマッチするわけではありません。
データベースの改良が必要になる場合や、業務フローに社員が慣れずに効率が下がる可能性もあります。
企業に応じて独自のシステムを構築して導入するERPのことです。オーダーメイドであるため最適なERPを構築でき、独自性の高い企業でもスムーズに適応できます。
ただし、パッケージ型に比べて開発期間やコストがかかり、企業側も打ち合わせに参加するため時間と労力を割かなければなりません。
途中で修正が必要になるとさらに期間が延長され、開発が終わるまでに数年かかるケースもあります。費用は数百万円から数千万円にもなり、予算が準備できる企業は少ないかもしれません。
ERPの導入は、その規模や期間によってシステムを選択しなければなりません。費用を抑えようとクラウド型を選択したものの、カスタマイズの追加料金で予算オーバーしたり、予定よりIDを発行する人数が増えたりして、費用がかさんでしまうことも考えられます。
ERP導入には専門知識が必要なため、失敗しないよう「導入支援サービス」を利用するのがおすすめです。Blue Tiger Consulting(ブルータイガーコンサルティング)をご利用いただければ、豊富な知識とノウハウをもとに、企業に最適なERPを提案させていただきます。
企業内にITに詳しい人材がいないことを理由に、ERPの導入を諦めていては業務効率化のチャンスを逃してしまうことになります。BTCでは導入だけでなく、実装後のサポートや乗り換えのサポートも行っています。
ERPシステムを導入すると、膨大にある業務を一元管理することができます。
しかし、業務効率化のためとはいえ、高額な投資になることは間違いありません。専門知識を有する導入支援サービスを利用すれば、安心して導入サポートを受けられます。ERPでの業務効率化をお考えの際は、ぜひご相談ください。